ソフトウエアビジネスモデル特許ビジネス関連発明特許

ビジネスモデル特許(その6)

 今回もソフトウエア関連発明について紹介したいと思います。また、特許庁から出されている審査基準(附属書B第1章コンピュータソフトウエア関連発明)に解説されている例を取り上げます。少し短いです。


<例>  遠隔地にいる対局者間で将棋を行う方法をコンピュータに実行させるプログラムであって、
 自分の手番の際に自分の手をチャットシステムを用いて相手に伝達するステップと、
 対局者の手番の際に対局者の手をチャットシステムを用いて対局者から受け取るステップと
が交互に繰り返されることを特徴とするプログラム。
(空白及び改行の挿入は、筆者による)


 短いので読みやすいと思います。また、やろうとしていることも理解しやすいと思います。
 パソコンで通信できるようになって様々なチャットシステムも普及してきました。このようなシステムが登場してきましたので、上の例のような将棋の対局も可能になってきました。

 上の例は、要するに、
  (1)自分の手を送信するステップと、
  (2)相手の手を受信するステップと、
を繰り返すプログラムです。

 一応、自分の手や相手の手を通信しているので、ソフトウエアのプログラムと捉えることはできると思います。実際には、おそらく、盤面に割り当てられた位置と駒との情報を手で入力して送信し、相手側がその情報を受信して、その情報がディスプレイに表示され、・・・を繰り返すのだと思います。例えば、「7六歩」などの情報が送受信されるのでしょうか。しかし、これらのステップは、チャットシステムの動作をそのまま説明しているに過ぎないのではないでしょうか。一生懸命CPUが処理しているのは、チャットシステムのプログラムですよね。で、チャットシステムによって動作するものは、自分の手を相手に伝え、相手の手を受け取るという、将棋の流れそのままです。

 附属書B第1章コンピュータソフトウエア関連発明では、「全体として人為的な取決めのみを利用した方法にすぎないため、「発明」に該当しない」と判断されています。これは、決して無理のない判断ではないでしょうか。

 上で少し説明しましたが、ソフトウエアの発明として認められるためには、CPUが、どんだけがんばって処理したかの内容によると思います。CPUが、一生懸命に実行してくれる処理の内容こそが、発明として認められる部分になると思います。

 もし、上の例が、チャットシステムのプログラムの発明で、単に文字情報や画像情報を送受信したり入力したり表示したりするだけでなく、実際に必要になるかどうかはわかりませんが、例えば、便利になる機能や、セキュリティを高める機能や、安定的に実行できる機能などを設けて、そこに特徴があれば、発明として認められる可能性は出てくると思います。